腸内環境 改善 オリゴ糖

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腸内環境は低分子の多糖類によって大きく変わる!

最も善玉菌が増えやすく、かつ悪玉菌を減らせる多糖類は分子量300〜3000の多糖類


前回の記事では、
食物繊維や野菜をとり続けているのに一向に悪玉菌が減っている気配はない・・・
ヨーグルトや乳酸菌サプリを摂取しても腐敗臭が増すばかり・・・
とにかく便臭がひどくて体臭まで気になりだした・・・
ダイエットもリバウンドばかりして失敗する
このままだと大腸がんも気になる・・・

 

何を試しても便が腐敗臭がする・・・汗

 

腸内環境が改善できない状態が半年も続くとS状結腸がダランと伸びて3日以上1回の便秘に!

なぜ何を試しても一向に改善できないのか?
自律神経の乱れも十分に考えられますが、
3日〜7日に1回は下剤なしで出るという場合、S状結腸だけが局所的に蠕動運動が低下してることが考えられます。

S状結腸だけが弛緩し蠕動運動が低下しているので、下行結腸に食べ物が溜まらないと排便が促されないという状態を引き起こしてしまうのです。

 

このような便秘の場合、便秘だけど下剤なしでも3日に1回は出るという具合に定期的な排便→便秘を繰り返してしまうのです。

 

善玉菌が短鎖脂肪酸を作れずにいると腸の粘膜が薄くなり極端に便の通過速度が低下する

大腸のありとあらゆる部位の多くは腸内菌が作り出す短鎖脂肪酸などの有益な物質に依存しています。
たとえば大腸の粘膜であるムチンは善玉菌が作り出した短鎖脂肪酸を主原料にしているので、これが大腸内で発生していないと粘膜が薄くなってしまうのです。
そうすると潤滑が低下するので便の移動速度が低下してしまいます。

 

便の移動速度が遅くなるとS状結腸に到達したころには便中の多糖類が尽き、善玉菌が短鎖脂肪酸を作ることが出来なくなります。

 

しかも腸粘液の分泌の促進は短鎖脂肪酸が触れている部分しか促進されないため、悪玉菌が増えやすいS状結腸は特に粘膜が薄くなっているので、便の通過速度は遅くなり、さらにこれが助長し悪玉菌をどんどん増やすことになり、S状結腸付近だけ有害物質に汚染され弛緩してしまうのです。

 

このような状態がずっと続くとS状結腸だけでなく次第に下行結腸まで弛緩するようになってしまい10日以上に1回しか排便がないというひどい便秘に陥っていきます。

 

 

ではその史上最強の多糖類とは何のでしょう?
またどのようなメリットがあるのかを挙げてみました。

 

健全な腸内環境はじつは「低分子の多糖類を中心」に動いている


これまで食物繊維(野菜)や水溶性食物繊維、低分子水溶性食物繊維、ヨーグルトのページで、色々と解説してきましたが、
これらを摂取しても一向に腸内環境が改善される気配がないという場合、

 

そもそもあなたの腸内で活性化されている善玉菌の種類が少ないことが考えられます。
活性化された善玉菌の種類が少ない腸内環境の状態から、
野菜をたくさん食べてもそれに含まれる多糖類を分解利用できる善玉菌が少ないがために有機酸(短鎖脂肪酸)が産生されず、
常に悪玉菌が最優勢になってしまうのです。

 

というのも、腸内環境は基本的に次のようなサイクルによって食事ごとに決定されてしまうからです。

 

腸内環境が良好な人の場合の腸内サイクル

腸内環境が良好な人の場合、

  1. 善玉菌が多種類、活性化されているので、腸内にあらゆる種類の多糖分解酵素が存在している
  2. だから色々な多糖類から有機酸が産生され悪玉菌を常に抑制できる
  3. だから色々な食べ物を食べても腸内環境が安定的

 

 

腸内環境が悪化している人の場合の腸内サイクル

腸内環境が悪化している人の場合、

  1. 活性化されている善玉菌の種類が少ないので、腸内に存在する多糖類の分解酵素が限定的。
  2. だから摂取する多糖類の種類によって悪玉菌が増えたり、善玉菌が増えたりと常に不安定
  3. だから「これを食べると調子良い、あれを食べると便臭がひどい」という感じで腸内環境が不安定

 

 

 

 

つまり、

  • ヨーグルトを食べても悪臭が増す。
  • 食物繊維(野菜)をたくさん食べても便がガチガチ。
  • 水溶性食物繊維を食べるとヘドロ臭がする。

 

といったように、
何を食べても便臭がひどい、
このような方が、
腸内環境を良好にするためには、
一旦、出来る限りの善玉菌を多種類活性化させ、腸内に多種類の”多糖類分解酵素”を存在させる必要があるのです。

 

 

じゃあどうすれば腸内のビフィズス菌や善玉菌を多種類活性化できるの?


こちらの確実に悪玉菌を減らす方法は唯一たった一つだけ!の記事で大まかな概要はすでに解説済みですが、もう一度まとめてみると、

 

分子量が小さい多糖類ほど有機酸が素早く作られ悪玉菌に奪われにくくなる
多糖類が低分子であるほど善玉菌が多種類増える

 

2つが腸内環境改善に大きく影響するということでしたよね?

 

 

では、これに当たる多糖類とは一体どういうものなのでしょうか?

 

 

腸内細菌の基礎知識:多糖類の分子量が小さいほど増えるビフィズス菌の種類が多くなることを知っておきましょう


さて、のっけから少々難しそうなタイトルですがブドウ糖を例に挙げ、出来るだけ分かりやすく解説していきたいと思います。

 

私たちが普段食べている全ての食べ物には、「多糖類」という物質が含まれています。

 

多糖類とはグルコース(ブドウ糖)が何かしらの形で結合したものということでしたよね?

 

たとえばグルコースが

  • α1→4結合で多数連結すると、アミロース(でんぷん)となり、
  • β1→4結合で多数連結するとセルロース(不溶性食物繊維)となる、

といった具合に色々な結合をして色々な多糖類が出来上がるわけです。

 

つまりブドウ糖(グルコース)から出来上がった大きな分子量の糖が多糖類ということになります。

 

そして、ほとんどの腸内細菌は、ありとあらゆる糖類の中でもブドウ糖のような単糖類から最も効率よくエネルギーを獲得できるのです。
(単糖類にはグルコース以外にもガラクトース、マンノースなどがあります。)

 

ところが、

 

これら単糖類がたくさん結合した高分子多糖類ほど、電気的に強く結合してしまい、
これを利用できる善玉菌の種類が少なくなってしまいます。

 

 

これに当たるのがいわゆる食物繊維で、

 

食物繊維のこのような性質により、一度腸内から善玉菌が減ってしまうと、
この食物繊維を分解利用し、有機酸が産生されなくなってしまうので悪玉菌が増えやすくなってしまうのです。

 

 

つまり、一度、善玉菌が減ってしまうと食物繊維が効かない、

 

ということになってしまいます。

 

野菜をたくさん食べても一向に腸内環境が改善しないという場合、これが当てはまるのです。

 

 

単糖類が2〜4個だけ結合した多糖類が最も善玉菌を多種類活性化させます

 

下記に研究者が「ビフィズス菌同定のために利用する各糖類の利用性を示した表」を掲載してみましたので参考にしてみて欲しいのですが、
左から2番目の項目のブドウ糖、ガラクトース、フラクトースの3つの単糖類の利用性を見てみると、ほとんどのビフィズス菌が利用できることが分かります。

 

ビフィズス菌属同定のための各種性状

ビフィズス菌が利用できる多糖類

  • +:90〜100%の菌株が陽性反応(つまり分解反応したということ)
  • −:90〜100%の菌株が陰性反応(つまり分解出来なかったということ)
  • d:11〜89%の菌株が陽性反応
  • w:弱陽性反応

 

 

なぜかというと、ブドウ糖などは糖類の中でも最も小さい単糖類。
細菌がこの糖を利用するために分解する酵素は必要ありませんよね?

 

ところが、
たとえばグルコース(ブドウ糖)とガラクトースの2つの単糖類が結合したラクトースを腸内細菌が利用するためには、
ラクターゼという分解酵素で一度、グルコースとガラクトースに分解しなければ利用できません。
でも幸いにも腸内細菌の多くはラクターゼ酵素を持っています。

 

また、ブドウ糖が直鎖上に結合したセルロースを利用するときはセルラーゼ酵素が必要になりますが、腸内細菌の多くはセルラーゼ酵素を持っていないのでエネルギーの獲得が出来ないのです。

 

 

 

このように細菌には利用できる糖類と利用できない糖類があります。
そして

基本的には分子量が大きければ大きいほどブドウ糖が電気的に強く結びつき、より強力な酵素を必要としますし、

 

分子量が小さい糖類ほど結合が電気的に弱いので単純な酵素さえ働かせれば即分解され利用しやすいのです。

 

  • グルコース(単糖)の分子量は180程度で極々小さく、CHOの結合が電気的に弱いので最もエネルギーを獲得しやすい
  • ラクトース(オリゴ糖)の分子量は342程度で小さく、CHOの結合が電気的に、まあまあ弱いので弱いラクターゼ分解酵素を働かせればすぐ利用できる
  • セルロース(不溶性食物繊維)の分子量は10000以上と超巨大で、電気的に(化学的に)超強力に結合しているので強力な分解酵素セルラーゼが必要となる

 

つまり何が言いたいのかというと

 

分子量が小さい多糖類ほど、よりたくさんの種類の腸内善玉菌が増えやすい

 

ということです。

 

つまり野菜などに多量に含まれる「食物繊維」や「水溶性食物繊維」などは分子量が大きいため、分解するのに時間が掛かり、悪玉菌を抑制することも難しいですしビフィズス菌を増やすことは困難なのです。

 

善玉菌は「まず真っ先に便中に含まれた分子量の小さい多糖類」から利用し増える


これはかなり重要なポイントなので確実に理解しておいてほしいのですが、
腸内の細菌に限らずほとんどすべての細菌は、
まず、自身が最も利用しやすい多糖類を真っ先に消費する、という性質があります。

 

これが一体何の影響があるのかというと、「あなたが食べた物に含まれている多糖類の内、最も小さい糖類の種類によって腸内環境が大きく変わる」ということなのです。

 

腸内の善玉菌は次のような順番で多糖類を分解利用している

 

まず、食べ物に含まれた最も小さい多糖類であるオリゴ糖などから利用される

(この時点で優先的に増えた菌種がその後食べ物を優先的に利用しコロニーを形成)

↓↓↓

次にオリゴ糖によって増えた菌種群が低分子水溶性食物繊維を優先的に利用する

↓↓↓

次に水溶性食物繊維を利用する

↓↓↓

最後にデンプンやヘミセルロース、セルロースなどの高分子多糖類を利用する

 

つまり1番目に利用するオリゴ糖が食べ物に含まれていなかった場合、悪玉菌が増えその後も悪玉菌が繁殖するといったことが起きてしまうわけです。(腸内環境が悪化している人の場合)

 

なぜか?というと食べ物に含まれた糖類から「悪玉菌を抑制する有機酸」が産生されにくいので、ビフィズス菌が利用しにくいことが考えられます。

 

あれやこれや試しても一向に善玉菌が増える気配がないという場合、「まず、真っ先にビフィズス菌から利用されやすい糖類が含まれていない食事」をしていないとも言えます。

 

 

では、大腸に届く多糖類のうち最も分子量が小さい多糖類とは?


悪化した腸内環境を整えるためには、ヨーグルトでもなく、食物繊維でもなく、
最も低分子の多糖類だ、ということが分かりましたよね?

 

 

では、最も分子量が小さい糖は何かというと・・・

 

先ほどから説明にあるブドウ糖(グルコース)やガラクトースなのです。

 

でも、ブドウ糖は、人の体内でも重要なエネルギー源!

 

途中で吸収され大腸には全く届きません!!

 

ですから、ブドウ糖を経口摂取しても腸内細菌の活性化は出来ないのです。

 

 

では大腸まで届くことが出来る糖類の内、もっとも分子量が小さいものは何かというと、
ブドウ糖やガラクトースなどの単糖類が2〜4個結合したオリゴ糖
です。

 

オリゴ糖がプレバイオティクスのかなめになるとして注目されているのは、
大腸に届く多糖類の中でも最も分子量が小さく、最も細菌の利用率が高いから
なのです。

 

ですから、腸内環境が悪玉菌優勢となってしまった場合、最も低分子のオリゴ糖を重点的に摂取していくと良いでしょう。

 

まとめ:低分子の糖類は腸内環境の舵取り役


細菌の糖類利用には法則があります。
まず、大腸に糖類が届くと最も低分子の糖類をエサに増えていきます

 

単糖類(グルコース、ガラクトースなど:大腸に届かない)
   ↓↓↓
低分子多糖類(オリゴ糖:ほぼ大腸に届く)
   ↓↓↓
低分子水溶性食物繊維(イヌリン、ガラクトマンナン、死滅した乳酸菌の細胞壁など:大腸に届く)
   ↓↓↓
水溶性食物繊維(難消化性デキストリン、ヘミセルロース、デンプンも含む:大腸に届く)
   ↓↓↓
不溶性食物繊維(セルロース、リグニン(リグニンは全く利用されない):全て大腸に届く)

 

便中にオリゴ糖が無ければその次に大きい低分子の水溶性食物繊維を利用します。
しかし何度も解説しているように分子量が大きければ大きい糖類ほど短鎖脂肪酸の産生スピードが緩やかになってしまいその隙を突くように悪玉菌が増えてしまうのです。また低分子の糖類が無いと善玉菌が十分に増殖しませんので、善玉菌が手が周らない部分に悪玉菌が増殖し最終的には悪玉菌が勝ってしまいます。

 

ですが、一度十分に善玉菌が増えると占有効果と呼ばれる現象が生じ、悪玉菌を寄せ付けにくくなるのです。
ヨーグルトや乳酸菌サプリなどは善玉菌を十分に増殖させる効果がないため占有効果が生じません。

 

そのためオリゴ糖などを摂取すると1週間は善玉菌優勢になるのに対し、ヨーグルトはわずか1日で腸内環境が元に戻ってしまうのはこのため。
多糖類の重要さが十分に理解出来たのではないでしょか?

 

では次はオリゴ糖の種類と資化性について解説しますね

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