オリゴ糖 種類 効果

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前回の記事では細菌の糖類利用には法則があるということでしたよね?
まず、大腸に糖類が届くと最も低分子の糖類をエサに増えていきます

 

単糖類(グルコース、ガラクトースなど:大腸に届かない)
   ↓↓↓
低分子多糖類(オリゴ糖:ほぼ大腸に届く)
   ↓↓↓
低分子水溶性食物繊維(イヌリン、ガラクトマンナン、ペクチン、死滅した乳酸菌の細胞壁など:大腸に届く)
   ↓↓↓
水溶性食物繊維(難消化性デキストリン、ヘミセルロース、デンプンも含む:大腸に届く)
   ↓↓↓
不溶性食物繊維(セルロース、リグニン(リグニンは全く利用されない):全て大腸に届く)

 

便中にオリゴ糖が無ければその次に大きい低分子の水溶性食物繊維を利用します。
しかし何度も解説しているように分子量が大きければ大きい糖類ほど短鎖脂肪酸の産生スピードが緩やかになってしまいその隙を突くように悪玉菌が増えてしまうのです。また低分子の糖類が無いと善玉菌が十分に増殖しませんので、善玉菌が手が周らない部分に悪玉菌が増殖し最終的には悪玉菌が勝ってしまいます。

 

つまり初期において善玉菌が増殖できるか?短鎖脂肪酸を産生することができるか?がその後の腸内環境を決定してしまうのです。

 

その舵取り役を担っているのがオリゴ糖などの低分子多糖類なんですね。

 

ここでは腸内環境改善の要ともなるオリゴ糖の効果と細菌の資化性(利用)についてとことん説明します。
若干、専門性の高い内容になってしまいますが出来るだけ分かりやすく説明しますね。

 

オリゴ糖の種類はたくさんあるけど最も効果的なオリゴ糖にはとある法則が存在

 

ここでは、オリゴ糖や各種多糖類の種類と
それを利用できる乳酸菌(Lactobacillus)とビフィズス菌(Bifidobacterium)の種類を明らかにします。

 

オリゴ糖の種類によって乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の活性度が変わると記述しましたが、どんなオリゴ糖や多糖類を接種すればあなたの腸内にどんな種類の乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増えてくるのか?のおおよその目安と判断基準になるんじゃないかと思います。

 

判定基準は細菌利用の最も高い「ぶどう糖」を基準とし、
ぶどう糖と同等の発育、利用率」としています。
(ブドウ糖を基準にするのは細菌の利用率がもっとも高い糖だから)

 

注意して頂きたいことは下記ページにはそれぞれ「そのオリゴ糖をブドウ糖と同等の生育をする菌種」を挙げていますが、これらは試験管(in vitro試験)によるものであって実際の腸内においては、500種〜1000種ともいわれる菌種が共存していています。
そのような環境下での細菌によるオリゴ糖の資化性は大きく異なってくるものです。

各種オリゴ糖の資化性をブドウ糖(グルコース)判定基準とし比較

 

オリゴ糖の最たる効果は短鎖脂肪酸や乳酸の産生率が他の多糖類より圧倒的に高いこと


オリゴ糖の効果は「ビフィズス菌のエサになることだ」として紹介されているブログはよく見かけますが、
じつはオリゴ糖のもっとも特筆すべき効果は、短鎖脂肪酸の産生率がどんな多糖類よりも圧倒的に高いことが挙げられます。

 

その理由はこれまで述べてきたように、
大腸まで届く多糖類の内、最も低分子だからなのです。

 

 

短脂脂肪酸の効果はたくさんあるのでここでは主な効果だけ列挙してご紹介しましょう。

 

短鎖脂肪酸の主な効果:

  • 大腸の上皮細胞から分泌されるヌルヌル粘膜、糖鎖の分泌を促進し便通を促す。バリアの役目もある
  • 有害物質と化学反応を起こすことで無害化
  • 発ガン予防:腸内を酸性にすることで発がん物質である二次胆汁酸の産生を抑制
  • 酪酸は大腸がん細胞の増殖を抑える
  • 便中を酸性にすることで便の硬化を防ぐ
  • 大腸の血流を促進
  • ミネラルを有機化させ吸収を促進
  • 大腸の細胞の原料となる(痛いんだ腸壁の回復を促進)
  • 大腸の上皮細胞の主要なエネルギー源となり養分吸収を促す
  • 便中の浸透圧を高め一定の水分率を維持する(硬くなり過ぎない)
  • 腸が短鎖脂肪酸の濃度を感知し食べ物の逆流を防ぐ
  • 結腸に直接作用し収縮させる(マウスの試験では)
  • GPR43を活性化させ食べても太りにくくなる
  • 短鎖脂肪酸受容体に作用して脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑える
  • 酪酸には過剰な免疫反応を抑える Treg細胞という免疫細胞を増やす
  • 腸内を酸性にすることで悪玉菌が産生する酵素の活性を低下
  • 短鎖脂肪酸の末端にあるHイオンが血中に溶け込み活性酸素を除去

と、めちゃくちゃたくさんあるのです。

 

この中から私が体感できたことは、

  • 食べても太りにくくなった
  • 便が硬くなりにくくなった
  • 排便の回数が増えた
  • 風邪をひかなくなった(4年ぐらい継続)
  • 飲み始めの1週間は下痢がひどくなったけどその後はほとんど下痢をしなくなった
  • 2か月続けたらどんな物を食べても便やガスがほとんど匂いがしなくなった

 

便秘のもっとも怖いところは有害物質が産生されることです。
オリゴ糖を摂取することによって有害物質の産生がほとんどなくなり、便秘そのものの恐怖感もなくなります。

 

とは言っても、オリゴ糖であれば何でもこのような効果があるかと言うとこれまた違うのです・・・・。

 

 

オリゴ糖の種類と細菌の利用性(資化性)

 


さて、腸内環境改善の要は低分子多糖類で解説してきましたが
腸内環境が悪化した場合は、食事に低分子の多糖類が含まれているかどうかに大きく左右されてしまうということでしたよね?

 

そこで腸内環境が悪化するサイクルから脱出するために最も有効なのは、
ヨーグルトでもなく食物繊維(野菜)でもなく、オリゴ糖であるということが分かりましたね?

そもそもオリゴ糖とはなんぞ?

オリゴ糖は小糖類とも呼ばれ、食物繊維や水溶性食物繊維などの”多糖類”と同じく、ブドウ糖のような単糖類が複数結合したもの。
多糖類と決定的に違うのは2〜4個のわずかな単糖類しか結合していません。(だから小糖類)

そのため電気的(化学的)に結合は弱く、細菌にとって分解利用しやすいのです。
また、野菜などに限らず魚、肉といったほとんど全ての食べ物に含まれています。

 

さらに砂糖のように血糖値が急上昇することはなくGI値がわずか10程度とダイエット向けの糖でもあります。
カロリーは砂糖の半分程度もありますが、そのカロリーの大部分が大腸内で短鎖脂肪酸として発生するので、GPR43を活性化させダイエット後のリバウンド抑制に働きます。

 

でも、オリゴ糖と言ってもラクトースや大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ、イソマルトなどたくさんの種類があります。

 

そしてオリゴ糖の種類や腸内環境によっては、ビフィズス菌よりも悪玉菌に利用されてしまうオリゴ糖も存在しているしています。

 

では、どのようなオリゴ糖であれば悪化した腸内環境でも有利に働き、善玉菌のすべてを活性化できるのでしょう?

 

ビフィズス菌属同定のための各種性状

ビフィズス菌が利用できる多糖類

  • +:90〜100%の菌株が陽性反応(つまり分解反応したということ)
  • −:90〜100%の菌株が陰性反応(つまり分解出来なかったということ)
  • d:11〜89%の菌株が陽性反応
  • w:弱陽性反応

 

上の表を参考にして頂きたいのですが、糖アルコールに当たるキシリトールやソルビトール、マルチトール、マンニトールは、ビフィズス菌にほとんど利用されません。これら糖アルコールが「虫歯になりにくい糖」であり「乳酸産生菌に利用されない糖」だということに気づく方もいらっしゃるかもしれません・・・。
これら糖アルコールは乳酸菌だけじゃなくビフィズス菌にもほとんど利用されないために「短鎖脂肪酸」を産生することができない糖なのです。
短鎖脂肪酸が産生されにくい糖であるため最終的には悪玉菌や日和見菌に利用され逆に腸内環境を悪化する方向へ導いてしまうことがあります。

 

 

先ほど例に挙げたイソマルトオリゴはその50%がグルコース(ブドウ糖)から構成されているので、ブドウ糖の部分はビフィズス菌にも利用されますが、
残り50%は糖アルコールであるマンニトールとソルビトールを悪玉菌が利用してしまうのです。
イソマルトは腸内環境を良好に保つ予防策としては使えますが、悪化した腸内環境を良好にするほどの効果は無いのです。

 

「ブドウ糖、フルクトース、ガラクトース」の3つの単糖類から構成されたオリゴ糖が優れたビフィズス菌増殖因子


もう一度先ほどの表を見てみましょう。

 

ビフィズス菌属同定のための各種性状

ビフィズス菌が利用できる多糖類

  • +:90〜100%の菌株が陽性反応(つまり分解反応したということ)
  • −:90〜100%の菌株が陰性反応(つまり分解出来なかったということ)
  • d:11〜89%の菌株が陽性反応
  • w:弱陽性反応

 

 

オリゴ糖は、

  • ブドウ糖(グルコース)
  • マンノース
  • フルクトース(果糖)
  • ガラクトース

などの単糖が色々な組み合わせで結合しています。

 

チェック

2つの単糖が結合しているものが二糖類、
3つの単糖が結合しているものが三糖類
となっており、

 

たとえば・・・

チェック
  • グルコースとガラクトースがそれぞれ1個ずつ結合したのがラクトースやメリビオース
  • グルコースとフルクトースにさらにフラクトースが1〜3個が複数結合したのがフラクトオリゴ
  • グルコースとフルクトース、ガラクトースがそれぞれ1個結合したのがラフィノース

 

となっているのです。

 

上の表から見ても分かるようにグルコース(ブドウ糖)とガラクトース、フルクトースの3つの単糖はほぼすべてのビフィズス菌に分解利用されることが分かります。

 

 

つまりオリゴ糖を構成している単糖の種類は、

  • グルコース(ブドウ糖)
  • ガラクトース
  • フルクトース(果糖)

の3つから構成されているオリゴ糖が腸内環境を整えるためには望ましいということになります。

 

オリゴ糖の中でも最もビフィズス増殖しやすいのはラクトース、ラクチュロース、メリビオース、ラフィノース、フラクトオリゴ!

 


なぜ、

  • ラクトース
  • ラクチュロース
  • メリビオース
  • ラフィノース
  • フラクトオリゴ

がオリゴ糖の中でも最強なのか?というと先ほど挙げたように、
これらオリゴ糖はビフィズス菌全てに利用されるグルコースとガラクトース、フルクトース、の3つのいずれかの単糖から構成されいるからなのです。
つまりこれら5つのオリゴ糖を分解できる酵素をビフィズス菌が持っていれば、グルコースとガラクトース、フルクトースを得られるので利用されやすいということになります

 

ビフィズス菌が”乳酸を産生しすいオリゴ糖”にはグルコース(ブドウ糖)が結合した二糖のオリゴ糖です

このようにビフィズス菌が多種類増えやすいオリゴ糖はグルコースとガラクトース、フルクトースから構成されたオリゴ糖と言えます。
一方、ビフィズス菌が「乳酸を作りやすいオリゴ糖」というのも存在します。

 

「乳酸を作りやすいオリゴ糖」にはグルコースが結合したオリゴ糖です。
ガラクトースなどからも乳酸を合成しますが、一度、グルコースに作り替えてから乳酸を産生するという無駄な工程を得なければ乳酸が産生されないので、結局グルコースが最も乳酸が作られやすい単糖であると言えます。

 

つまりグルコースの結合割合が高いオリゴ糖ほど乳酸がたくさん作られやすいオリゴ糖ということになります。

 

グルコースの結合割合が高いオリゴ糖はラクトースとイソマルトオリゴなどが該当します。
またオリゴ糖ではありませんが、デンプンやデキストリン、セルロースなどの多糖類はグルコース100%で構成されているので、腸内にこれら多糖類の分解酵素を持つ菌種がたくさんいれば乳酸がたくさん作られやすくなります。

 

赤ちゃんの腸内が産後5日以内にビフィズス菌が最優勢になるのは母乳に含まれた100種類以上のオリゴ糖のおかげ

下のグラフは新生児の生後7日目までの糞便に見られる菌叢(きんそう)の推移を表したもの。

赤ちゃんの腸内細菌

(ビフィズス菌が出現するタイミングは生まれた場所や母乳栄養、看護人のその後の管理によっても変わりますし、出産直後に確認できることもあるようです。実際には1〜3日後に出現するというのが多くの研究者の一致した成績です。)

 

ヒトの胎内は母体の抵抗性によって無菌状態。
だから、通常、産後初めて排泄される便は無菌です。

 

その3〜4時間後にはStreptococcusE.coliClostridium、酵母などの菌が出現し、急速に増殖します。
この時点ではまだビフィズス菌の出現はほとんど認めらませんが、
生後、2〜4日目辺りからBifidobacterium ビフィズス菌が出現し、急速に増殖し5日目には最優勢となるのです。

 

このように5日以内にビフィズス菌が最優勢となるのは、母乳に含まれた100種類以上のオリゴ糖による賜物なのです。
さらに母乳の緩衝能(pHを中和する力)が粉ミルクや離乳食よりも低いために腸内pHが低下しやすく、そのため有害菌が蔓延しにくくビフィズス菌にも適した腸内環境になります。

 

そしてこの3種のオリゴ糖+さらに3種+2種の水溶性食物繊維=計8種の多糖類を組み合わせたオリゴ糖がカイテキオリゴなんですね。
複数のオリゴ糖を組み合わせたオリゴ糖は他にも「はぐくみオリゴ」などがあります。
はぐくみオリゴはカイテキオリゴのようにビフィズス菌30種を活性化することは難しいかもしれませんが、カイテキオリゴよりも痩せ菌バクテロイデス菌に代謝されにくいオリゴ糖を配合しているのでガスの発生は比較的低めです。

 

カイテキオリゴとはぐくみオリゴはどちらが便秘に効果的?


カイテキオリゴとはぐくみオリゴはこちらのページで比較しております。
気になる方は参考にしてみてください。

オリゴ糖の種類とそれを利用できる善玉菌の種類記事一覧

 

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