便を柔らかくする方法

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便を柔らかくするのは実質、善玉菌が作り出す乳酸のみ

 

食物繊維がたくさん含まれた野菜をたくさん水分を含ませても便は全然、柔らかくならないんだけど・・・。どうして〜〜??


理想的な便ってありますよね?

  • 適度な硬さ、
  • 適度な水分率、
  • 適度な太さ、

の3つが良く言われてます。

 

一般的な通説だと、これらは主に不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が作り出すものだとされています。
また、これら食物繊維にたくさんの水分を含ませて摂取すれば大腸に水分が届き便が柔らかくなると主張する方もいます。

 

果たして本当でしょうか?

 

結論から言うとNO!です。

 

 

便秘が3日以上の人
腸の蠕動運動が低下している人
大腸が長いと診断された人

などの症状がある方が、これら食べ物を積極的に摂ると余計に便秘が悪化してしまうのです。

 

というのも上記の3つのいずれかが当てはまる方は長期間、有害物質に晒されS状結腸がダランと弛緩したり、むくみを起こしS状結腸だけ蠕動運動が低下している可能性が高く、そのため何を試しても便が硬くなりやすいのです。

S状結腸だけが弛緩し蠕動運動が低下しているので、下行結腸に便が溜まらないと排泄されなず、そのため3日以上に1回しかでない状態に陥いります。

いつまでも腸内環境を改善できずにいると、大腸のS状結腸付近がさらに有害物質にさらされ次第に下行結腸まで影響が及びこうなると10日以上に1回しか排泄されないぐらいにまで悪化してしまいます。

 

ではこのような症状の方が食物繊維を摂取するとどのようなことが大腸内で起きるのか?説明しますね。

 

食物繊維にたっぷり水分を含ませても便は柔らかくはならない

「食物繊維にたっぷりと水分を含ませて食べると大腸にたくさんの水分を届けてくれる」とまことしやかに噂されているようですが、これは確かに間違いではありません。

 

ですが現実ではどうでしょうか?
おそらく便が普段より硬くなって出てきていませんか?

 

便秘が3日以上の人
腸の蠕動運動が低下している人
大腸が長いと診断された人

 

このような症状のある方は大腸に多量の水分が届いてもある条件をクリアしない限り、便は柔らかくなりません。

何故かというと、大腸は受動吸収によって「水と水に溶け込んだ養分の濃度がある一定の浸透圧になるまで」速やかに吸収されるからです。

 

受動吸収と浸透圧ってなんぞ?:

浸透圧とは、キュウリを塩で揉んだら水分が自然に外へにじみ出てきますよね?
これはどうしてかというと細胞膜は特殊な構造をしていて、細胞より外側の溶液の濃度が薄いときは、細胞内へ水分を吸収し、細胞より外側の養分が濃いときは、細胞内の水分を外へ排出してしまうのです。これは浸透圧によるものです。
大腸はこの浸透圧を利用して養水分を細胞内へ取り込み吸収をおこないます。
便中の水分が体液の濃度と同じぐらいになるまではこの浸透圧を利用した受動吸収を行いますが、便中の溶液が濃くなると受動吸収が出来なくなるので、その時はエネルギーを使う能動吸収をするのです。

 

水溶性食物繊維を食べると便がカチコチに!どうして〜?

 

誰に相談しても「便秘解消には食物繊維、水溶性食物を食べるべき!」って言うから、寒天とか難消化性デキストリンとかドラッグストアで購入して「今度こそは!」って期待し実践したら、柔らかくならるどころか逆にガチガチになっちゃうんだけど・・・。わたしの腸ってホントでヤバいんじゃないのかな〜?


 

水溶性食物繊維は、腸内細菌が少ないと未分解のままS状結腸に達し、便をガチガチにしてしまう

寒天や昆布、ワカメ、オートミールなどの水溶性食物繊維をたくさん含む食品は水分を与えると吸水してかなり膨らみますよね?
でも吸水させる前のその食品ってどんな状態でした?
ガチガチでしたよね?

 

通常だと水溶性食物からはジワジワと腸内細菌に分解され、酢酸、酪酸 プロピオン酸、ビタミンなどの非常に有益な有機酸(短鎖脂肪酸)を作ってくれる有益な多糖類です

 

しかし、もし細菌に利用されなかった場合未分解の水溶性食物繊維は「水分がなくなるとガチガチになる」のです。

 

 

細菌に利用されないまま残ると最終的にはヘドロ物質(硫化水素)が作られることも

善玉菌が未分解のまま残してしまった水溶性食物繊維からは本来、短鎖脂肪酸に作り替えられ大腸に吸収されるはずだった水素が遊離Hイオンとして便中に放出されます
そこに未分解のまま到達した肉類や野菜に含まれた含硫アミノ酸とHイオンを利用し硫化水素産生菌がヘドロやドブ臭のする硫化水素を作り出してしまうのです。

 

 

では腸内の善玉菌を増やせば便が柔らかくなるのか?いいえ、全くの逆です!

冒頭でも説明しましたが、

便秘が3日以上の人
腸の蠕動運動が低下している人
大腸が長いと診断された人

といった症状の方は有害物質によってS状結腸の蠕動運動が低下している可能性が大です。

 


失礼なことを言ってしまいますが、多くの専門家はこのような状態であっても「食物繊維を食べなさい」と安易に勧める方があまりにも多いような気がします。
ですが食物繊維からは短鎖脂肪酸が作られ、そして大腸は短鎖脂肪酸が産生されると養水分の吸収を盛んにし余計に便をガチガチにさせてしまうのです。

 

しかし、だからと言って食物繊維を摂らないわけにはいきません。

 

でも食物繊維を摂らなければS状結腸の弛緩は回復しない


何故かというとS状結腸が弛緩し蠕動運動が低下した原因は、S状結腸にある便から短鎖脂肪酸が作られないことにあるからです。
というのも大腸のバリア役を果たす粘膜ムチンは短鎖脂肪酸が主原料なので、作られなければ薄くなり有害物質に汚染されてしまいます。
しかも短鎖脂肪酸が作られずムチンがどんどん薄くなっていき腸内菌の棲む場所が減ってしまいさらに汚染されやすくなってしまうのです。

 

汚染されれば再びS状結腸は弛緩し蠕動運動が低下。

 

しかし食物繊維をとれば短鎖脂肪酸のせいで便が硬化しやすくなるという矛盾が発生してしまうのです。

 

いずれにしてもS状結腸の蠕動運動が低下している限り腐敗物質が溜まりアルカリ性に傾き便が硬化します


ここまで色々と説明してきましたが、いずれにせよS状結腸の蠕動運動が低下していると排泄できないので、最終的には悪玉菌が増えアルカリ性に傾き便が凝固してしまいます。(ここまでの下りって一体、何?・・・)
しかも有害物質にも汚染されさらにS状結腸が弛緩してしまうのです。

 

では、どうすればこのような悪循環から抜け出せるのでしょうか?

 

 

解決策はビフィズス菌を増やし赤ちゃん並みに乳酸をたくさん作らせること


上記で説明したように、あれこれ試しているうちにムチンが薄くなり有害物質の接触を許してしまうようになり、大腸のS状結腸が次第にたるんだ状態(弛緩)になってますます便秘が悪化しかねません。

 

とくにS状結腸では便の通過速度が時速10cm以下になるので、S状結腸付近は善玉菌のエサが尽きてしまい悪玉菌が増える場所です。
だから弛緩する場所は短鎖脂肪酸の産生量が最も少なく、有害物質にさらされやすいS状結腸付近なのです。

 

ではどうすればこのような悪循環から抜け出せるのかというと、ビフィズス菌をたくさん増やし乳酸を大腸内に蓄積してもらうという方法が有効です。
というより、おそらくこの方法しかありません。

 

便中に乳酸が蓄積すると便が3〜5日ほど出なくても全く硬くならない?!


これは私が試験に試験を重ね得た結果なので、ほぼ断言出来ますがビフィズス菌を増やし乳酸を蓄積させると便が3〜5日程出なくても硬くなりません。(発生させる乳酸の量にもよる)
何故かというと乳酸は他の短鎖脂肪酸と吸収経路が異なるので大腸に吸収されにくく他の短鎖脂肪酸よりも100倍ぐらい長く留まります。
そして乳酸が便中に溜まると便内溶液の浸透圧が高まるので大腸が水分を吸収出来なくなるのです。
しかも便中のpHが5.5〜以下になるので悪玉菌は全く酵素が使えない状態になり、S状結腸に長期間、便が停滞しても悪玉菌が増えないのです。

 

要は便を離乳食を始めた頃の赤ちゃんと同じような状態にすれば良いわけです。

 

あとは便をこのような状態にしつつも合わせて水溶性食物繊維をとれば、S状結腸でも短鎖脂肪酸がどんどん作られるようになるのでムチンが厚くなり弛緩も改善できるようになります。

 

 

ではどうやって乳酸をたくさん作ってもらうのか?
その方法はこちらで解説しましょう

 

 

 

補足:乳酸を産生する主な菌種

乳酸を作り出す菌種は色々だけど大腸内ではビフィズス菌が主要な産生菌です。
ブドウ糖から酢酸と乳酸を3:2の割合で産生します。

乳酸を産生する菌種:
大腸内で乳酸を産生する菌種は主に

  • Bifidobacterium ビフィズス菌
  • Enterococcus エンテロコッカス
  • Eubacterium ユーバクテリウム
  • Clostridium クロストリジウム(一部)
  • E.coli 大腸菌(一部)

 

そして、乳酸が蓄積されると次第に便中の水分の濃度が高まります。
そうすると前述した浸透圧の作用によって、ある一定の濃度に達すると大腸が水分吸収が止まり便を柔らかい状態に維持してくれるのです。

 

乳酸が蓄積されると次第に便中の浸透圧が高まり便中の水分が吸収が止まります。

 

しかも、乳酸は酸性物質なので悪玉菌の酵素活性が抑制され、増えなくなるのです。

乳酸が蓄積されると便が3日以上出なくても悪玉菌が増えにくい

 

 

補足:離乳食を与えている赤ちゃんのうんちもビフィズス菌が多いときは柔らかく、少ないと固形化します

子育て経験のあるママならピンと来るかもしれません。
離乳食を与え始めた赤ちゃんのうんちは、その時の細菌の状態によって液状のものと固形化されたものが2種類でますよね?

 

固形化されたものはうんちそのものの臭いがしますが、柔らかいものはチーズっぽく酸っぱい感じの臭いがします。
チーズっぽい臭いは酪酸の臭いで酸っぱい臭いは乳酸です。

 

ビフィズス菌が増殖した時は柔らかいうんちが、ビフィズス菌があまり増殖しなかったときは固形化されるというわけです。