セロトニン 増やす 食品

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腸内細菌が作り出した短鎖脂肪酸によってうつ病が改善するかも


うつ病の原因はハッキリとは
うつ病の病態に関与していると考えられるモノアミン*神経系にはノルアドレナリン神経系とセロトニン神経系があります。
現在使われている多くの抗うつ薬はノルアドレナリンやセロトニンに作用することで効果がもたらされています。

 

 

セロトニンは「幸福のホルモン」。
東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一朗 のメディアへの出演によって瞬く間に日本でも「セロトニン」と言われる神経伝達物質が知れ渡るようになってきました。
もともとはアメリカの解剖学者マイケル・D・ガーション博士が腸内でセロトニンの大部分が作られている事を明らかにし、「セカンド・ブレイン」第2の脳 という著書を発表し、大きな脚光を浴びた事がきっかけだったようです

 

 

 

さて、セロトニンと腸内細菌が注目されるようになった理由なんですが
「どうやら腸内細菌のバランスを整える事でうつ病が改善するのでは?」とのこと。

 

 

「腸内フローラを改善すると脳内セロトニンが増える」とよく聞かれますよね?
さらに腸内フローラが良好だとうつ病、自閉症になりにくいとも言われてきました。
また腸内セロトニンが「過敏性腸症候群ー下痢型」を引き起こすともよく言われています。

 

  • 腸内フローラ
  • 脳内セロトニン
  • うつ病、自閉症
  • 過敏性腸症候群ー下痢型

 

これら4つに一体どんな関わりがあるのか?
そしてこれらを改善していくとどのような変化の期待が出来るのか?
セロトニンを増やす方法はないのか?
出来るだけ誤解されないように注意深くまとめてみました。

 

で?セロトニンって何なの?

セロトニンとは脳の中に存在する神経伝達物質の一種です。
最近では「幸せのホルモン」として一躍、有名になりました。
セロトニンが脳内で分泌されると情緒を安定させたり、
意欲を高めるといった働きがあります。
体内ではわずか10mgしか存在しません。
ですがわずか10mgのセロトニンがいろいろな役目を果たしているんですね。

 

腸のセロトニンが増えても脳内セロトニンは関係ない

 

まず、セロトニンについて真っ先に誤解を解いておかなければいけないのは、
セロトニンは95%以上が腸内で作り出されていますが、
でも腸で作られたセロトニンが脳に到達するわけではないということ。

 

というのも、とあるメディアが「セロトニンの大半は腸で作られている。だから腸を活性化すれば脳内セロトニンが増える」と誤った内容を報じたためか、ネットでも「腸のセロトニンが脳に届く」といった誤った内容の記事をよく見かけるからです。

 

とくに「カレーを食べればセロトニンが増え幸せになれる」といった内容が多いのですが、
刺激を受け腸で増えたセロトニンが脳に届き幸せを感じる、という事はありません。(決して断言はできませんが)

 

というのも脳はとっても大切な器官ですよね?
ですから脳に間違って変な物質が入らないように「血液脳関門」(けつえきのうかんもん)と呼ばれる仕組みがあり、たとえ血液に含まれた有益な養分でさえも簡単には通らないのです。

 

さらに、
もし「腸内で増えたセロトニンが脳内に届く」と仮定した場合、(もちろんほぼあり得ない話ですが)
脳内セロトニンが多い方は皆、下痢を頻繁にしているということになってしまいます。
だって腸内のセロトニンを増やすと、蠕動運動が過剰になり下痢を引き起こしてしまいます。

 

セロトニンが腸に増えすぎると本当に困った事になってしまうのです。
逆に少な過ぎると今度は便秘になってしまうのです。

 

実際に下痢を頻繁に起こしてしまう過敏性腸症候群というのがありますが、
腸のセロトニンを作用を押さえるラモセトロンが使われます。

 

ちょっとこの辺の誤解に歯止めをかけないと、と思い先にこのような事を書きました。
でないと今時はネットであっという間に広まってしまうんですよね。
では本題に戻ります。

 

脳内セロトニンを増やすには前駆物質トリプトファン(5HTP)が必要

 

腸内のセロトニンが増えたところで、
脳内セロトニンは増えない、とすれば
いっそのことセロトニンを食品から摂取してみてはどうでしょうか?

 

いいえ、やはり食品から摂取しても脳のセロトニンは増えません。

 

なぜなら脳の神経伝達物質(セロトニンなど)は脳で作られるからなのです。

 

食品からセロトニンを採っても血液脳関門で遮断されてしまうでしょう。

 

でもここに大きなヒントが。

 

脳でセロトニンが作られているのなら、必ずその原料が必要になりますよね?

 

そう!「セロトニンの原料」であれば脳に到達することが出来るのです!

 

ではセロトニンの原料とはなんなのか?というと

 

セロトニン原料は「トリプトファン」と呼ばれる芳香族アミノ酸です。

 

食品から摂ったトリプトファンでも脳は簡単に通してくれない

 

じゃあ、トリプトファンを食品から摂れば脳内セロトニンは増えるんだね?というとそんなに簡単ではないのです。

 

それは先ほど言った「血液脳関門」があるからです。

 

食品から採ったトリプトファンでは、血液脳関門が
「う〜ん?食べ物から来たトリプトファンはちょっと怪しいんじゃない?やっぱり自身の消化器官から作られたトリプトファンの方が信用出来るよね」
と(思うのかは分かりませんが)簡単には通してはくれないのです。

 

 

つまり、脳内セロトニンを増やすには
食品中のアミノ酸が消化吸収を得て、そこからトリプトファンが合成され血液脳関門へ辿り着く必要があるのです。

 

このような理由から
最近、「うつに効果がある」としてトリプトファンが配合されたサプリが販売されていますが、
おそらく効果がある人は極めて稀だと思います。

 

食品からトリプトファンを得ても、現実的に脳に辿り着く事は極めて難しいのです。

 

さらに私たちヒトにはトリプトファンを合成できる器官が存在していません。

 

 

では一体、脳関門を突破出来るトリプトファンを私たちはどうやって得ているのでしょう?

 

 

ここで、ようやく腸内細菌の出番です。

 

どうやら、脳に辿り着くトリプトファンは腸内細菌によって作られているらしいのです。
(ここからさきはこの根拠を延々と続けます。ご了承ください)

 

腸内フローラを改善すると脳内セロトニンが増えた

セロトニンの原料トリプトファンが脳内に達するためには、
私たちの消化器官を得て合成されなければ脳関門を突破出来ないとお伝えしました。

 

つまり食品から得たトリプトファンだと脳内まで達する事は難しいのです。
しかも、私たちのヒトの消化器官はトリプトファンを作る力を持っていません。

 

でも、腸内にすむ細菌ならトリプトファンを合成する酵素を持っているのです。

 

そもそもセロトニンは細菌間の伝達物質として発見されたのが始まり。
細菌がその原料トリプトファンを合成出来る事は容易に想像がつきますよね?

 

 

悪玉菌が増えると自閉症になりやすい?

例えば自閉症やうつの人の脳脊髄液を分析するとセロトニン分解物である5?ヒドロキシインド酢酸という物質が極端に少ない事が知られています。
このことから自閉症やうつ病の方はセロトニンが大幅に減っていると考えられるわけですが、
じつは自閉症の子どもには悪玉菌を含むクロストリジウム属という腸内細菌が多い事が分かってきました。
そこで、クロストリジウム属の増殖を押さえる抗生物質を用い治療を行ったところ、自閉症の症状が大きく改善されたという研究報告もあります。

 

 

これら根拠を徹底的に書くつもりでしたがあまりにもくどくなるため、
ご興味のある方は関連した書籍が多数発行されていますので読んでみると良いかも。

 

 

他にも腸内細菌が脳内セロトニンの増減に大きく影響している成果が多数報告されていて、
もはや”腸内細菌がトリプトファンを合成し、それが脳内に到達する”ことは断じて否定は出来なくなって来たのです。

 

でも、善玉菌を増やすだけで脳内セロトニンが増加し、うつ病を改善できるかどうかはまだまだ不明。
あくまで可能性があるという段階です。