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今の野菜はビタミンだけでなくオリゴ糖も不足?今の農業の栽培技術事情


ここ最近、女性の便秘や下痢、肥満、大腸がんなど大腸によるトラブルがかなり多くなってきているようです。
その原因として労働などのストレスなども考えられますが、野菜のオリゴ糖が不足していることも原因ではないか?と私は考えています。

 

というのもここ最近、農業では土壌中のミネラル不足によって野菜の栄養が低下しているからです。
(特にビタミンがヤバいことに・・・)
私は土壌分析をあちこちで行っていたことがあり、大半の農場でカリウムとカルシウムの過剰、そしてマグネシウムが底を尽きていることがよく見受けられました。
土壌のミネラル不足で最も深刻なのはマグネシウム不足です。

 

植物は葉緑素の中核にマグネシウムを入れ込むことでやっと光合成が出来るようになるのですが、土壌中のマグネシウム不足が不足すると光合成が低下します。
光合成が出来なければグルコースを生成することが出来ません。
オリゴ糖やビタミン、アミノ酸などすべての栄養素はグルコースを基に合成されます。
しかし植物は光合成が低下しても何とか生き延びようとやっと生成できたグルコースからセルロース(食物繊維)合成に優先的に使ってしまいます。

 

つまりオリゴ糖やビタミンなどは植物が光合成を盛んにし、あり余るぐらいのグルコースが生産されないと野菜にたくさん含まれないのです。
しかもグルコース生成が低下すると、土中から吸収した硝酸Nをアミノ酸などに変換する効率も低下し、植物体中にそのまま残ってしまいえぐみや苦みの成分になることも。

 

さらにグルコース生成が低下すると、植物の根の先端から分泌される有機酸も少なくなり土壌中のミネラルの吸収が低下します。
ミネラルが吸収できなくなくるとさらに光合成の低下を招くのです。

 

そうすると細胞壁を構成しているセルロースも不足し、さらに細胞壁の接着剤の役割を果たすペクチンも減ります。またペクチンはCaと結合し接着しますが、光合成不足ではCa自体の吸収も低下します。そうすると植物組織が弱くなり害虫、病原菌にもやられやすくなります。

 

植物が健やかに旺盛に育つためには土壌中のミネラルバランスCaカルシウム Mgマグネシウム Kカリウム が当量比(原子量を原子価で割った値)に換算し5:2:1ぐらいのバランスで含まれていないと植物はミネラル吸収が低下するのです。

 

野菜のミネラル不足は土壌中の多糖類が不足していることも原因


しかし一方で土壌にミネラルが十分にあっても野菜のミネラル不足を招くことがよくあります。
それは「土壌中の多糖類不足による植物根の生育不良」です。

 

枯草や落ち葉が積もる土壌はフワフワしていますよね?そこで育つ植物の成長は旺盛です。
これは何故かというと枯葉や落ち葉を微生物が多糖類にまで分解するとそれら多糖類が土中の粒子と結合していき団粒化され、土壌中に酸素がいきわたるようになるのです。
土壌中に酸素がいきわたると植物の根はグングン伸びていきます。

 

さらに土壌中に多糖類が豊富にあると細菌がアミノ酸や有機酸を生成してくれます。
それを吸収した根がそれを原料に根毛を2倍にも3倍にも伸ばしミネラルをどんどん吸収できるようになるのです。

 

ところがこうした土壌に化学肥料(窒素)ばかり施していくと、細菌が自身の増殖のために土壌の団粒化に貢献していた多糖類と化学肥料の窒素を利用し増殖を始めます。
こうなると団粒化に貢献していた多糖類がどんどん消費され土壌がガチガチに硬くなっていくのです。
しかも多糖類の少ない土壌では陽イオン交換容量(CEC)が小さくなり陽イオンであるミネラルを十分な量引きつけておくことが出来なくなります。

 

するとミネラルがどれだけたくさん含まれていても根が呼吸出来ないし、ミネラルが十分な量引きつけられないので植物の生育過程でミネラル不足を招いてしまうのです。
このような現象を防ぐためには堆肥と呼ばれる微生物が醗酵した多糖類を施していかなくてはいけません。

 

しかし土壌が硬化しないほどの十分な量の堆肥を施している田畑はそんなに多くはないです・・・。(私が知る限りでは)

 

食物体中のCaが不足すると収穫後の野菜の呼吸が旺盛になり「日持ちしない」

このようにミネラル不足が栄養不足を招くだけでなく、Ca欠乏によって収穫後の呼吸が旺盛になりビタミンやオリゴ糖などが消費されやすくなってしまいます。

 

  • 「最近の野菜は店頭に並んでいる時点で傷んでいる」
  • 「最近の野菜は野菜らしい味がしない」
  • 「今の有機野菜は虫食いだらけ」

 

こんな言葉を高齢者の方からよく耳にしますがこれらは土壌中のミネラル不足、多糖類不足が招いていると言っても過言ではないです。

 

野菜は”生”で大量に食べるのではなく”茹でる”とオリゴ糖含量が増加

オリゴ糖が不足している原因は野菜自体の不足だけでなく野菜を生でたくさん食べる人が多くなったことも原因ではないか?と私は考えています。
野菜は茹でることで有害物質を取り除けますし、細胞壁が破壊され栄養が吸収されやすくなります。
さらに多糖類は加水分解しオリゴ糖の含有量が高まります。

 

しかしここ最近の事情はというと「葉野菜を生でたくさん食べるのが健康的」という誤った考え方が浸透しているようです。

 

植物は主要なエネルギー合成経路である葉に有害物質を作り、出来るだけ葉、幹を害虫に食べられない工夫を施します。
有害物質を含んでいない部位は種を形成するトマトなどの果菜類や果物だけなのです。

 

感性の高い子供が生で野菜を食べることを極端に嫌うのはそれなりの理由があるのかもしれませんね。

 

オリゴ糖不足に陥る原因は「野菜を生で食べる割合が多い」という食事法によるものも。

腸内ビフィズス菌の割合が高いと言われている農家さんの食事法を見るとよく理解できると思うのですが、ほとんどの農家さんは野菜を茹でる(熱する)か漬物などにするなどして食し、トマトなどの果菜類以外はほとんど生で食べないことが多いです。

 

野菜は元々有害な物質を含み煮るなどしてアクを抜かないと安全に食べられるものではありません。
(トマトや果物などの種を形成する果菜類は含まれない)
また煮ることで多糖類が加水分解しオリゴ糖の含有量が高まります。
熱すると甘みが増すのは多糖類が分解されているからなんですね〜。

 

ちなみに野菜が生でたくさん食べられるようになったのはここ最近のことなのです。(詳しくはサラダの歴史などでググって見て下さい)

 

また、野菜に含まれるミネラルはカリウムが圧倒的に多いのですが、カリウム過剰摂取によるナトリウムの不足を補うかのように塩分高めの味付けが多く、農家さんの食事法はかなり合理的です。
ここ最近、減塩がよく言われるようになってきましたが、私たちの細胞内浸透圧調整はカリウムとナトリウムによって調整されています。(野菜をたくさん食べる人は減塩は禁物なのです)